小さな助け合いの物語賞

入選(6編)

助け合う

加瀬 実佐枝

私はこの夏、消防庁北小岩救急隊の方から、名刺サイズの『感謝状』をいただきました。

七月末の暑い日。自転車でバランスを崩し、転倒。道路脇の花壇で頭をケガされ動けないでいる年配の方のお世話をしたのです。

すぐさま近くにいた者がかけよりました。頭を低くしないようにと両腕を差し伸べてくださった年配の紳士。すぐに救急車をと電話してくれた学生さん。(・・・だったのかな?若く、勇気ある青年でした)私は、少しでも冷やさねばと、持っていたペットボトルにタオルを巻いて首元へ。救急車が来るまで扇子で扇ぎ続けました。近くのお店の方も大量の氷を用意して持ってきてくださいました。そんななかなのに、ケガされたご婦人は意識をしっかりもち、お世話にかかわっている私達に、申し訳ない旨とお時間は大丈夫ですかとしきりに心配されていました。

救急車のサイレンが近づいてくる安堵感。

ここからはバトンタッチです。救急隊の方々の冷静な対応と処置。そのお姿を間近でみることはそう多くありません。処置の手は動き続けるまま、耳で状況確認。そのご婦人は救急車へ運ばれました。

その後です。私達に『感謝状』をくださったのは。

救急隊の方々のお仕事を感謝せずにはいられない気持ちでいっぱいだったのに、少しでもお役にたてたことを大変嬉しく思いました。

小さな親切が大きな助け合いになることを実感しました。

何より・・・おケガをされたご婦人が回復され元気ですごされていることを信じています。